SFCニュース3月号

花ぞ昔の 香ににほひける

 今年の冬は例年よりも寒く、3月に入って梅がようやく満開ですね。我が家は毎年、近所の池上梅園に梅見に行くのですが、2月の中頃、数年前の写真をiphoneがお知らせしてくれたので、夫に梅がそろそろかね、と伝えたところ、夫は早速梅見に。が、その頃は、まだまだだったようで、残念そうでした。

 3月初めにこの春中学生になる娘と母と京都へ女3人旅に出かけましたが、娘の希望で訪れた北野天満宮では、タイミングよく梅が満開。ちょっとだけ夫に申し訳ない気分になりながらも、梅の香りに包まれて、今年も梅を楽しむことが出来ました。

 娘は、中学生になったら競技かるたをやりたいとずっと言っていて、今回はその娘の卒業旅行。行きたいところをピックアップさせたところ、「近江神宮」に「天橋立」と百人一首の聖地巡礼のようでした。母は京都が大好きで、子どもの頃よく京都に連れて行ってもらいましたが、母が連れていく京都とは、また違ったところばかりで、百人一首に詳しい娘に色々教わりながらの旅は、とても新鮮で楽しいものでした。

 近江神宮は、百人一首の1番の歌を作った天智天皇が祀られており、名人戦・クイーン戦の会場にもなっているそうです。彼女の影響で家族で読んでいる「ちはやふる」の登場人物のパネルや原画などもあり、娘のテンションはMAX!何やらよくわからない母も、娘による百人一首の解説に耳を傾け、改めて刺激を受けたようでした。

 2日目は、天橋立へ。京都から天橋立までレンタカーを借りて、雨風の中、2時間半運転し、やっとの思いでついた天橋立で「でも、あの歌は天橋立で詠んだ歌じゃないんだよね」と、さらりと言ってのける娘。「えぇぇぇー!!!じゃ、何で来たのさ!?」と思わず言ってしまいましたが、その衝撃のおかげで、もう一生「大江山」の句の意味を忘れることはないでしょう・・・。

 3日目は、母の趣味で陶芸作家の河井寛次郎記念館へ。そこここに清水焼の窯元が残り、記念館にはろくろなどの作業場や登り窯も保存されており、娘にとっても学びになったのではないかと思います。人と旅をすることは、自分が今まで興味のなかった分野のことにも触れ、本当に世界を広げますね。

 そんなこんなで久しぶりのゆったり旅で英気を養い、百人一首の知識も仕入れ、パワーアップして春を迎えられそうです。

 3月は社長等の就任祝いや卒業シーズンでご注文も多く、祐天寺校の作品展もあり、帰ってきて早々バタバタとてんやわんやですが、楽しい気持ちはキープしつつ頑張って乗り切りたいと思います。

花材研究~花とSDGs~ 空き瓶や空き缶の廃材利用

 SFCでは、昔から梱包材や発泡スチロールなど様々な廃材を活用して花を生けてきました。空き瓶や空き缶などは、SFCでなくても使われるポピュラーな?廃材ですが、空き瓶の色や配置にこだわってみたり、使うお花によっても見え方が変わって来るでしょう。ひょっとすると生花ではなくドライフラワーの方が合うかもしれませんし、様々な研究の余地は沢山あります。

 「使ったことがある」と思って先入観で捉えることなく、何度でも身近にある素材を使いこむことで、もっともっと独自の面白いデザインを表現することが出来るでしょう。

 情けは人の為ならず、廃材利用は環境のためならず、ですね。

 是非、トータルコース以外の方も、様々な身近な素材とお花を使い合わせて面白い作品にチャレンジしてみてくださいね。