SFCニュース6月号

スランプを肯定的に受け入れる

 新年度から2か月が過ぎ、新しい生活が始まった方も少し落ち着く頃ではないでしょうか。落ち着くとともに、なんとなく気持ちも落ち込んだり、慣れたが故の油断が出て来たり、と言う時期ですね。

 我が家の長女も競技かるたがやりたい!と言って入った学校がスタートして2か月。毎日家で自主練を重ねていて、ある日突然「あ~スランプだ!!」と叫んでいました。え!?2か月でもう!?とも思いましたが、最初のうちはやればやるだけ上手くなっている実感があったものの、その時期がひと段落したのだろうと思います。

 何かを身につけようとすれば、必ずやってくるスランプですが、お花でもやってきます。指導する側に立つとよく分かるのですが、スタートした時は、何をやっても新鮮でやればやるだけ、どんどん吸収していきます。とても楽しい時期ではありますが、やがて伸び率が落ちる時期と言うのが必ず来ます。生徒さん自身も「あれ?前ほどの楽しさがない」と飽きを感じたり「なかなかうまくならなくて」と焦りを感じたりという様子が見られます。SFCでは、なるべくそれぞれの状況に合わせて履修項目を入れ替えたり対応するようにしていますが、スランプが来ることは、次の段階に上がる前兆と捉えています。

 何故なら、お花を始めた頃は良いも悪いも良く分からないままに先生の言われるがまま生けてみて、先生の手直しになるほど、と思うの連続だったのではないかと思います。そこからスランプと思えるほどに「上手くいかない自分」を認識できている、という時点で既に成長している証拠です。初心者でなくてもスランプはやって来ますが、自分が見えてなかった部分が見えてきた、もしくは見えてくる前段階であることが多いです。

 まずはスランプになるほど頑張って来れた自分をほめましょう。そして、スランプを乗り越えた先には必ず成長した自分がいるはずですから、そこを想像して楽しみましょう。

 スランプへの対処法は、ちょっと距離を置いて別のことに目を向けてみる、逆にとにかくがむしゃらにやってみる、など、ひとそれぞれあるかと思いますが、

諦めてやめてしまう事だけは避けましょう。辞めてしまえばそこで終わりなので成長もストップしてしまいますが、なんとか潜り抜けた先には大きな成長が待っています。

 お花に関しては、何も常に真剣に向き合わなくても良いのです。期間を決めて少しお休みして復帰する、おけいこ回数を減らして他の事に目を向けてみる、と言うのも良いと思います。続けやすいようなシステムにしていますので、皆さんご相談くださいね。

 我が家の娘はスランプだしテスト期間はやらない!と決めたそうですが、早速やりたくてうずうずして勉強に集中できないそうですよ。それもまた良し・・・と言えるかどうか母としての器の大きさが問われています。

花材研究~花とSDGs~

規格外の花を使ってフラワーロスを防ぐ

 スーパーやお花屋さんに出回るお花や野菜には、規格があるのをご存知でしょうか?茎の長さや花の大きさなどで等級が決まっていて、少しでも茎が曲がると市場に出せなかったりします。

 規格から外されてしまったお花は農家で自家消費されたり、廃棄されてしまう事になります。最近ではフラワーロスの問題が指摘され始め、農家さんが直接インターネットなどで販売されていたりもしますよね。

 
 SFCが仕入れる業者でも「曲がり」「前回仕入れ」などと表記されてフラワーロスを減らす取り組みがされています。

 
 SFCは曲がったお花も楽しんで使う技術を身に着けているので、「曲がり」大歓迎!真っすぐで綺麗なお花ばかりでは物足りないくらい。

 

どんなお花でも楽しく使える技術が身についてしまえば、何よりもフラワーロスを防げますね。人も花も個性が大事。お花との一期一会を楽しみましょう!