SFCニュース5月号

目線を変えると見えるもの

  GWは皆さん、いかがお過ごしでしたでしょうか?私の住む都内では緊急事態宣言が出されており、久しぶりに実家に帰ってのんびりと思っていましたが、あきらめて今年もステイホームとなりました。

 普段の土日は土曜日に仕事があり、日曜日は溜まった家事で手いっぱい。いつもお父さんと公園にいく三女が「お母さんも今度公園に一緒に行こう!」とずっとお誘いしてくれてたので、久しぶりに一緒に公園に行きました。

 我が家は娘ばかりで、上の二人はあまり虫に興味を持つことがなかったように思うのですが、三女は毎朝必ず保育園に行く前にダンゴムシのおうちを覗いて、時には保育園に連れていき、保育園で捕まえたダンゴムシを連れて帰り、というような日々。公園でもひたすらアリの巣を見つけては覗き込んでいました。よく飽きないなぁと、一緒にしゃがんでみると、なんとちょっとした植え込みがジャングルのように見えてきました。なんとも面白いので、三女について回っては、その目線からカメラで写真をとってみました。「借りぐらしのアリエッティ」の世界のような写真が撮れて、娘のお誘いについてきて良かったなぁとしみじみ思いました。

 お花でも目線の高さを意識することはとても大事なことですが、世界も見方を変えると、色々と面白いものが見えてきますね。マインドフルネスの考え方では、「事実をありのままに見つめる」ということが大事で、目の前にある「事実」は良いも悪いもなく、良いとか悪いとかの評価をしているのは自分自身に過ぎないと考えられています。嫌なことを無理やりプラス思考で考える、ということではなく、目の前にある「事実」をマイナスに感じている自分を客観視することで、その苦痛から解放されることが出来るという考え方です。

 そんなことを考えあわせると、目線を変えるだけで、なんとも思っていなかった植え込みは面白くもなるし、いつも生けているお花にも新しい魅力を発見できるかもしれません。

 生け花のテーマの中には「分解して再構成」というテーマもあります。普段は使わない茎を生かしたりしながら、新たな表現を模索します。

 SFCでは、固定観念にとらわれない自由な発想を大事にしているので、SFCで学ぶ皆さんは、より深い植物の魅力を様々な角度から柔軟に引き出すとともに、ご自身の実生活に対しても柔軟に楽しめる力がついているのではないでしょうか!

 さあ、今月も新たな目線でお花の魅力を引き出し、楽しんでお稽古しましょう!